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SET1ドメインタンパク質SUVH2によるトランスポゾンの制御機構を解明~環境ストレス応答で活性化するトランスポゾンの制御機構についての新しい知見~(理学研究院 准教授 伊藤秀臣)

2024年2月14日

ポイント

●SUVH2タンパク質を欠失させると、ONSENの転写量が上昇。
●SUVH2タンパク質を欠失させても、ONSENの転移は見られない。
●siRNAがONSENの転移制御に重要な役割。

概要

北海道大学大学院理学研究院の伊藤秀臣准教授の研究グループは、環境ストレスで活性化するシロイヌナズナの転移因子(トランスポゾン)の制御機構について明らかにしました。

研究グループは、環境ストレス、特に熱ストレスで活性化するトランスポゾンONSEN)に着目し、その活性を制御する植物側の因子について長年研究してきました。その中で、ONSENRNA誘導型のDNAメチル化(RdDM)によって転写活性が制御されていることを明らかにし、RdDMがうまく機能しないような変異体では、ONSENの転写活性が増加し、次の世代にONSENが転移することも分かりました。RdDM経路の因子の一つであるSUPPRESSOR OF VARIEGATION 3-9 HOMOLOG(SUVH)ファミリータンパク質の一つSUVH2の変異体に高温ストレスを与えると、他のRdDM経路の変異体同様、ONSENの高発現が見られました。

ところが、興味深いことに、SUVH2の変異体ではONSENの世代を超えた転移は観察されませんでした。本研究では、SUVH2変異体ではONSENの配列相補的な小分子RNA(siRNA)が生成されることが分かりました。

一方、ONSENの世代を超えた転移が観察される変異体ではsiRNAが検出されませんでした。このことから、siRNAONSENの転移を制御していることが示唆されます。今回の研究結果から、高温で活性化するトランスポゾンONSENの制御には転写レベルでの制御と転移レベルでの制御が独立に存在していることが明らかになりました。そして、転移の制御にはsiRNAが重要な役割を担っているという新しい知見を得ることができました。

なお、本研究成果は、202428日(木)公開のFrontiers in Plant Science誌に掲載されました。

論文名:Regulatory mechanism of heat-active retrotransposons by the SET Domain Protein SUVH2SETドメインタンパク質SUVH2による熱活性レトロトランスポゾンの制御機構)
URL:https://doi.org/10.3389/fpls.2024.1355626

詳細はこちら

野生型、suvh2変異体、nrpd1変異体におけるONSENの転写量と転移数。RdDM経路の重要な因子であるSUVH2NRPD1はそれぞれ独立の役割を担っており、SUVH2ONSENの転写制御、NRPD1siRNAを介した転移制御を行っている。