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胎生メバル類の雄成熟度マーカーの開発に初めて成功~メバル類増養殖における種苗生産の効率化への貢献に期待~(水産科学研究院 准教授 平松尚志)

2024年2月14日

ポイント

●胎生メバル類の血液からリポカリンと類似した新規タンパク質(リポカリン様タンパク質)を発見。
●リポカリン様タンパク質の血液中の濃度は、メバル類の雄の精巣成熟度と高い相関。
●メバル類増養殖の種苗生産のプロセスにおける、成熟雄選抜の効率化に期待。

概要

北海道大学大学院水産科学院博士後期課程3年の山口 燿氏(日本学術振興会特別研究員DC2)、同大学大学院水産科学研究院の平松尚志准教授、東藤 孝教授及び北海道立総合研究機構栽培水産試験場の川崎琢真主査らの研究グループは、胎生メバル属魚類(以下、メバル類)の雄成熟度と関連する血液マーカーを初めて発見しました。

メバル類は、北海道をはじめ各地で漁獲される重要な水産資源で、これまで資源の増大を目的とした種苗放流や養殖の試みが行われています。放流や養殖に必要な種苗生産の際には、通常、人工授精を行います。人工授精には、成熟した雄を用いるため、繁殖期の魚体に現れる婚姻色や、精子を絞り出すことで個体を選別します。しかし、メバル類は婚姻色が現れず、精子も少なく絞り出せないことなどから、見た目だけではなく、確実に成熟した雄を見分けられる技術の開発が望まれていました。

本研究では、メバル類の雄の成熟度と関連した血液マーカーの候補として、リポカリンと呼ばれるタンパク質と類似した新規タンパク質(リポカリン様タンパク質)を見出しました。このタンパク質の血液中の濃度を測定するため、新たに開発した酵素免疫測定法を用い、2種のメバル類の血液中リポカリン様タンパク質濃度を測定したところ、雄の生殖腺のサイズと強い相関性を示しました。また、精巣の成熟が進み、精子を持つ雄個体は、血液中リポカリン様タンパク質の濃度が高く、同タンパク質の濃度を基準として人工授精に適した雄を選別できることを示しました。

本研究の成果は、メバル類の雄成熟度と関連する新たなタンパク質性の血液マーカーを初めて見出したものであり、種苗生産及び養殖の効率化に対する貢献が期待されます。

なお、本研究成果は、202419日(火)公開のAquaculture誌にオンライン掲載されました。

論文名:Serum lipocalin-like protein in Sebastes rockfish: A novel biomarker for reproductive stage malesSebastes属メバル類における血清中リポカリン様タンパク質:繁殖ステージにある雄を判別する新規バイオマーカー)
URL:https://doi.org/10.1016/j.aquaculture.2024.740560

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メバル類の人工授精の様子。雌親の卵巣に精子を注入し、受精を促す。