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新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する自然免疫認識の仕組みを解明~病態解明や臨床応用への期待~(遺伝子病制御研究所 教授 高岡晃教)

2021年5月12日

ポイント

●ヒト肺細胞においてRIG-ISARS-CoV-2に対する自然免疫センサーであることを発見。
●既知のRIG-Iシグナルを活性化せずにSARS-CoV-2複製を直接的に阻害する仕組みを解明。
●慢性閉塞性肺疾患などでの新型コロナウイルス感染症の予防や治療,重症化の予測への応用に期待。

概要

北海道大学遺伝子病制御研究所の高岡晃教教授らの研究グループは,ヒト肺及び気管支上皮細胞においてRIG-Iretinoic acid-inducible gene-I; レチノイン酸誘導遺伝子-I)が侵入したSARS-CoV-2のプラス鎖RNAを感知することを見出しました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2SARS-CoV-2)による感染によって引き起こされる病気で,現在世界規模での流行が問題となっています。このウイルスに感染したことをどのように感知するかについて,詳細な仕組みは明らかにされていませんでした。今回,研究グループは,RIG-IによるSARS-CoV-2の認識は,これまで知られていたRIG-Iの下流のサイトカインシグナル経路などを活性化することなく,SARS-CoV-2の複製プロセスの最初のステップであるウイルスRNAポリメラーゼの働きを阻害し,ウイルスの増殖を十分に抑制していることをつきとめました。しかし慢性閉塞性肺疾患の患者さん由来の肺細胞では,RIG-I分子の発現が低下しており,そのためSARS-CoV-2は複製することができるようになってしまい,増殖が抑制されていないことが観察されました。そこへ人為的にRIG-Iの発現を上昇させると,ウイルス増殖を抑制できることを確認しました。

このように,ヒト肺及び気管支上皮細胞でのSARS-CoV-2感染では,RIG-Iがウイルスセンサーとしてウイルスを認識し,最初のウイルス複製ステップを阻害することでウイルスの増殖を阻止していることが示され,RIG-Iの発現がCOVID-19の予防や治療,あるいは重症化の予測という観点から重要な切り口になる可能性を提示しました。

なお,本研究成果は,2021511日(火)公開のNature Immunology誌にオンライン掲載されました。

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本研究のまとめ(概要)