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ZNF384関連小児急性リンパ性白血病の国際共同研究~新しい小児白血病分類の確立に貢献~(医学研究院 教授 真部 淳)

2021年3月11日

ポイント

ZNF384関連融合遺伝子をもつ小児B前駆細胞性急性リンパ性白血病患者218名を調査。
●独立したサブグループである一方,融合遺伝子の相手により年齢と予後などの臨床的特徴が異なる。
●小児B前駆細胞性急性リンパ性白血病の正確な診断と効果的な治療の開発につながる成果。

概要

北海道大学大学院医学研究院小児科学教室の研究チーム(真部 淳教授,平林真介助教)は,アジアと欧米の国際共同研究を通じて,ZNF384関連の融合遺伝子*1をもつ小児B前駆細胞性急性リンパ性白血病の患者218名の臨床情報,白血病細胞の解析データを統合して検討し,融合遺伝子の相手により年齢と予後などの臨床的特徴が異なることを解明しました。

小児の急性リンパ性白血病(ALL)は小児がんのB前駆細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)の小児がんで最も多く,全体の30%を占める疾患です。その治療成績はここ数十年で飛躍的に向上し,5年生存率は90%を超えますが,今でも再発を来す例が存在します。近年,ZNF384関連の融合遺伝子が有力なサブグループ*2である可能性が示されています。

218人の患者において,ZNF384と融合する遺伝子はEP300が43%,TCF3が31%,TAF15が9%,CREBBPが8%,その他を合わせたものが9%でした。ZNF384関連融合遺伝子を有する患者の治療成績は全体で5年無イベント生存率(EFS)*3は85%,全生存率は91%と良好でしたが,その中でEP300-ZNF384融合遺伝子を有する例の再発率は4%とその他に比べて有意に低く,5年無イベント再発率92%,全生存率93%と非常に治りやすい白血病であることがわかりました。

ZNF384関連融合遺伝子を有するB-ALLは,共通して表面マーカー上の特徴を持ち,造血幹細胞に近い発現パターンをとるB-ALLの独立したサブグループと考えられます。一方で,今回ZNF384融合遺伝子では融合する相手の遺伝子によって,年齢と予後などの臨床的特徴が異なることが示唆されました。これらの結果は,小児B前駆細胞性急性リンパ性白血病の正確な診断と効果的な治療の開発につながる成果といえます。

国内で1年に100万人が診断される成人がんと異なり,小児がんは1年に2000人程度と発症数は少ないため,国際協調を進めることは研究の進歩のみならず,患者の診断と治療の開発にとっても,大きな意義を有し,今後もこのような体制の継続が望まれます。

なお,本研究成果は,2021年3月10日(水)公開のLeukemia誌にオンライン掲載されました。

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EP300-ZNF384融合遺伝子の再発率と治療成績