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ステロイドの副作用からこどもの骨を守る治療法開発に初めて成功~小児骨粗しょう症に対する抗シグレック15療法~(医学研究院 准教授 髙畑雅彦)

2020年4月22日

ポイント

●抗シグレック15療法がステロイドの副作用である骨粗しょう症の予防に有効であることを証明。
●抗シグレック15療法は骨成長を妨げずに骨量及び骨強度を増加させる。
●小児ステロイド性骨粗鬆症治療薬開発の進展に期待。

概要

北海道大学大学院医学研究院の髙畑雅彦准教授,同大学院歯学研究院の網塚憲生教授らの研究グループは,第一三共株式会社と共同で,同社が創生したシグレック15抗体が,小児ステロイド性骨粗しょう症に対して,有効かつ安全な治療法となり得ることを世界で初めて証明しました。

ステロイドは炎症や免疫反応を抑える作用があるため様々な病気の治療に使われていますが,代表的な副作用の一つに骨粗しょう症があります。そのため成人では,ステロイドを服用する場合,骨粗しょう症治療薬を予防的に併用することが推奨されています。一方小児では,ネフローゼ症候群や白血病,膠原病などの病気にステロイドが広く使用されているにもかかわらず併用できる骨粗しょう症治療薬がありません。これは既存の?粗しょう症治療薬を?児に投与した場合,?に成?障害などが生じる可能性があるためです。そのため,?児にも安全に使?できる新しいステロイド性?粗しょう症治療薬の開発が必要とされています。

シグレック15は,破?細胞の最終分化を制御する免疫受容体型膜タンパク質の一つであり,この遺伝子を欠損するマウスは破骨細胞分化不全による大理石病様表現型を示します。一般的に破骨細胞分化不全のあるマウスは小人症を呈しますが,このマウスは成長障害をきたさず,これは成長帯付近にシグレック15を代償する機構があり,正常な破骨細胞が形成されるためと考えられています。研究グループはこのユニークな特性に着目し,シグレック15中和抗体が骨の成長を妨げずに骨粗しょう症を治療できる可能性があることを報告してきました。

本研究ではステロイドを投与した成長期ラットに,シグレック15抗体,または代表的な骨粗しょう症治療薬であるビスフォスフォネートを投与した際の骨粗しょう症予防効果や骨成長への影響を調査しました。その結果,シグレック15中和抗体はビスフォスフォネートよりも骨量増加効果に優れることがわかりました。これはビスフォスフォネートが破骨細胞とともに骨芽細胞も減らし骨の新陳代謝を抑えてしまうのに対し,シグレック15抗体は破骨細胞の最終分化のみを抑制(骨を溶かす機能の低い小型破骨細胞はできる)するため骨芽細胞が減らず,ある程度骨の新陳代謝を保ったまま骨が減るのを抑えられるためと考えられます。また,ビスフォスフォネートを投与したラットでは骨の形態異常や成長帯に異常が生じたのに対し,シグレック15中和抗体を投与したラットでは骨の成長にはまったく影響がでないことが確認されました。

本研究により,抗シグレック15療法は,小児ステロイド性骨粗しょう症に有効かつ安全な画期的な骨粗しょう症治療薬としての可能性を有することが示されました。

なお,本研究成果は2020323日(月)公開のBONE誌にオンライン掲載されました。

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