今般の新型コロナウィルス感染症は、予想を遙かに超えた形で地球規模で拡大しており、今後の推移についても予断を許しません。本学ではこの間、事態の進展に即して種々の対策を講じて来ていますが、この後も多くの、いっそう広範な対応が必要となっています。

　特に皆さんに関わる教育の面では、健康と安全第一の観点から、これまで後期日程入試や卒業式そして入学式やオリエンテーションなど、学期末?新学期に係る重要な行事を中止せざるを得ませんでした。さらに今後は、新年度の学事歴の見直し、授業開始時期の検討、通常の対面授業に代わる授業方法の準備、とりわけオンライン授業体制の整備、新年度の主要な教育行事の実施の可否など、急ぎ検討し、方向を定めなくてはならない課題が次々に持ち上がっています。

　皆さんには、まずウィルス感染に係る切迫した状況をしっかりと認識し、自身の健康はもちろん、友人や家族、そして市民全体にも関係する安全の問題について十分に配慮し、同時に学生の本分である勉学への意欲と熱意も保持して、自律心を持って生活してほしいと強く願うものです。本学の前身である札幌農学校の初代教頭であったウィリアム?クラーク先生は、"Be ambitious"という有名な言葉と共に、"Be gentleman"という言葉を残しています。これは現代ではどのような性別であれ当てはまることで、今般のような困難な時こそ、北大生としての皆さんの人格的な自律が大事です。私たちも確実な支援に努めてゆきますので、皆さんも、教職員の方々と共に、北海道大学というアカデミック?コミュニティの一員として、今後の本学の対応策について理解と協力をお願いします。

令和２年４月１日

　理事?副学長（教育?学生等担当）　長谷川晃